ダウン症の成人期に注意すべき症状と対処法

 障がい者の支援を行う方向けにセミナー等を行っているリーンオンミ―という会社の「ダウン症の成人期に注意すべき症状と対処法」という研修動画を見たので、その情報をのせておきます。

ダウン症の原因遺伝子発見

 まず最初にダウン症理解の最新情報として、大阪大学北畠准教授が発見したダウン症の原因遺伝子のお話がありました。詳細はこの記事があったので見ていただいた方がよいかと思いますが、言っておられるのは、染色体異常の遺伝子のうちどれがダウン症を引き起こすかを研究し、DYRK1Aであることを突き止めたそうです。。。。難しいですね。。。そして、ざっくりいうとダウン症の解明が進み治療法開発に役立てることができる、ということのようです。iPS細胞を使った研究のようで、ひょっとしたら将来ダウン症は治療できる症状になるのかもしれないと思うと驚きです。

成人期に注意すべき症状と対処法

 そして成人期のダウン症で注意すべき症状は主に以下の二つ。

1.退行様症状(青年期の課題)

 15歳から30歳ぐらいに今までできていたことができなくなり、無気力、終局的になるなどの症状が起こることがあるそうです。動画の中で北畠先生は、退行様症状が起こるきっかけとしては、
  ・よくしてくれていたおばあちゃんが亡くなる
  ・すごくなついていたお姉さんやお兄さんが結婚や進学等でいなくなる
  ・学校の先生が変わりすごい威圧的な先生になった
等の環境の変化を挙げています。ダウン症の子は適応能力が高くいろいろと頑張れるので、環境変化が起こっても自分で頑張ってしまい、いつの間にかすとーんと落ちるかのように症状が出てくるそうです。頑張り屋さんというところはよくわかる気がします。

そして退行様症状があらわれたときは、
  ・家族や関係者と話し合い本人のストレスを見つけた上で環境調整をする
のがよいとのこと。よく観察して理解してあげるのが大切ですね。

2.認知障がい(40歳以降の課題)

 アルツハイマーに似ている症状がでるようです。で、その原因として考えられるのが、
  ・ダウン症の原因となる21番目染色体の上にアルツハイマーの原因となる遺伝子が乗っている
  ・で、通常では二つの染色体がダウン症の方は三つあるため、普通の方より発症の可能性が高い
ということだそうです。ただし、この動画では対処法までは言ってませんでした。

ということで、話を聞いていてとても参考になる研修でした。今後の支援に活かしたいと思います。